第189話心痛

セレナは物思いに沈んでいたが、サラの最後の一言でハッと我に返った。

その言葉は、恋人に浮気された人間のものとは到底思えなかった。微塵もそんな素振りはない。

セレナは心配そうに姉を見つめた。「お姉ちゃん、本当に――」

「まだ仕事が残っているの。もう寝なさい」

サラは冷ややかに言葉を遮った。

セレナは喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。

姉は、自分などよりずっと気丈に失恋と向き合っているのだ。

―――

翌朝、セレナが目を覚ましたのは八時近くになってからだった。

顔を洗い、一階へと降りていく。

サラはすでに洗練されたビジネススーツに身を包み、ダイニングテーブルで朝食をとっていた。

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